愛知のオルタナティブサイクリスト
otakuhouse
INABU BASE PROJECTの成果物であるトレイルのお披露目となる、マウンテンバイク(以下「MTB」)ツアーに参加してきました。
本稿では参加者の目線で感じた、INABU BASE PROJECTの持ち味についてお伝えします。
ツアーはトラックとバスでMTBと参加者を山の頂上まで運んで集合地点まで戻る、下り基調のコースとなっています。前半はシングルトラックで、後半はグラベル+ 野生化した舗装林道。
シングルトラックはカリカリに作りこまれた土系のコースではなく、基本はそのままの地形を使った落ち葉トレイルで、素朴な日本の里山の魅力そのものとなっております。
▲ グラベルは粒度が小さく、日本のグラベルとしては個性的な路面でした。
トレイルの量や質はさらに向上の余地があり今後が楽しみです。当プロジェクトは、ご存知のように参加型のトレイルカットを実施しており、出来上がっていく過程も、魅力として定義しています。
なので、今は未完成という言い方もできますが、INABU BASE PROJECTにとっては一切問題ではないのです。トレイルはカットすることでなく、一般の参加者が楽しむことが目的なので、途中でもどんどんリリースしてフィードバックを得ていくのはサービスの開発には重要と考えています。
▲「ここから先がまったくトレイルカットできてないんですよ~(いい意味で)」
そういう意味ではターゲットがハッキリしているイベントかなと思っています。例えば登れない坂など、担がないといけないところは今の時点でまだあります。
これを「乗れなくてつまらない」と思う人には物足りないかもしれません。逆に「どうしたら乗れるようにトレイルをつなげるか」という目線で楽しめる人は、トレイルカットから積極的に参加すべきです。
当プロジェクトは権利者に話を通してあるので、完全に厳密な意味でクリーンなトレイルカットができます。
▲どこでフィルターがかかったのか分からないけど、参加者の多くは程よく緩い空気感の人が多かったし、スチールバイクも多かった。
このプロジェクトの強みの一つは、地道に計画の下回りができているところにあると思います。下回りというのは要するに地元の方との話し合いであり、法的に問題ないことはもちろん、全員が納得することを方針として活動しています。
お金や政治を使って土地を確保してクローズドコースを作るのではなく、個人ライダーの努力と地元のご理解ご協力でクリーンなコースが成り立っているのです。堂々と私有地や関係者以外立ち入り禁止のトレイルに入って写真をSNSにアップできる、というのは気持ちの良いことです。
ツアー中はそのあたりの経緯がガイドから聞けます。この辺りがネットサーフィンしてもたどり着けない情報と言う感じでオススメです。
日本のMTB文化はそのあたりが曖昧な感じで数十年やってきた副作用として、先行者は遊び方を入門者にシェアしにくい状況になっています。
これが、入門者にとって敷居が高いのです。この問題は、MTBの楽しみ方を知るにはMTBに乗っている友達を作る必要があるけど、未経験者はMTBがコミュニケーションツールとして使えないので、MTBに乗っている友達ができにくいというヤバい再帰性を持っています。
現状のMTBはやっぱりこういう欠陥があると思います。そういう問題をトークで平和に解決し、実践してモデルを示していくのが、INABU BASE PROJECTだと考えています。
僕は7年くらい前のMTBしか知らない状態で乗ったんですけど、やっぱり道具は新しい方がいいですね。普段、MTBに乗らないのですが、基本的に自転車が勝手に走ってくれるので、成り行きで一通りは走れます。
トレイルライドってもっと怖かった印象ですが、とりあえず走るだけなら技術的なハードルがすごく低くなったと思います。つまりマウンテンバイキングはもう特殊な行為ではないし、今後は人類を平等に最高にする物になっていきます。
otakuhouse
愛知のオルタナティブサイクリスト。
大学生の時にサイクリング部に入部し、旅行の脚として自転車を買ったのをきっかけに、自転車カルチャーに入り込んでいく。
得意分野はキャンプツーリングとパスハンティング。
Blog : http://www.otakuhouse.org/
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