INABU BASE

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愛知のチベット「稲武」始まる働き方革命

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2019.1.10 vol.8

自転車と新しい働き方

トヨタケ工業株式会社 2019年度新卒

遠藤 颯

「遠藤颯です。本日はよろしくお願いいたします。」

 

この度は自動車用シートカバーメーカー「トヨタケ工業株式会社」の内定をいただき、INABU BASE PROJECT新卒第一号として、来年四月一日より「週休二日、週三日正社員として働きながら、週二日のトレイルガイド」という新たな働き方を稲武で実践していきます。

 

トヨタケ工業株式会社ロゴ

今回のコラムでは自己紹介を交えながら、INABU BASE PROJECTに関わることになった経緯、なぜトヨタケ工業で働くことを決めたのか、を書いていきたいと思います。このコラムはこれから就活をする皆様、そして僕のように都会でくすぶっている若者に届いてほしいと思いながら書きました。

 

 

私は現在埼玉県内の大学に下宿しながら通っています。大学では自転車部に所属しており、主にツーリングを主体に活動してきました。私は小学生の頃から、自転車を乗り回しあちこち探検に出かけていました。川の河口はどうなっているか自転車で見に行ったり、重い地図を持って海を目指してみたりと自分の興味を満たす移動手段として自転車は行動範囲を広げてくれました。大学生になっても、根の部分は変わらず、自転車に乗り、全国を巡りました。また、部活というコミュニティを通して自転車と付き合ってきたことで、ツーリングを計画する楽しさや、自分たちで部を作り上げるDIY精神、多様な価値観や文化と触れ合えたのは私自身の大きな土壌になったと思っています。

 

さて、私がINABU BASE PROJECTを知ったのは3月、Twitterでフォローしているotakuhouseさんのコラムでした。元々ツーリングのノウハウを得る為にツイートやブログをチェックしていたので、初めてINABU BASE PROJECTの投稿を読んだ時は、別のジャンルだと思い、流して読んで頭の片隅に残っただけでした。

6月、大学四年の就職活動も、地元のIT企業の内々定をいただいたことで、終わりを迎えようとしていました。希望していた職種、勤務地でしたが、本当にこれでいいのだろうかという不安や不満が常にありました。もし、ここで一度納得してしまったら、自分の性格なら、敷かれたレールの上を辿る人生を歩むだろうとも思っていました。そんな時に思い出したのがINABU BASE PROJECTでした。

私はマウンテンバイクに関しては初心者ですが、「自転車と働き方革命」「フィールドの新規開拓」などのキーワードが私のDIY精神をくすぐりました。これから生まれる新しい現場で自分が働くことを想像した時、大きな魅力を感じたのを覚えています。

7月上旬、ホームページの問い合わせフォームから連絡したのを皮切りに、横田社長と連絡をとり合い、トヨタケ工業のインターンと、INABU BASE PROJECTの活動が重なる日程をセッティングしていただきました。

東京から夜行バスに乗り込み、名古屋へ。1,300フィールド探索&開拓vol.9に参加後、トヨタケ工業のインターンに参加し、結果、横田社長に私の人柄やバックグラウンドを評価していただき、内定をいただくことができました。

 

稲武とは全く関わりのなかった私とINABU BASE PROJECTが結びついたのは、自転車という共通項があったからで、私にとって自転車に関わる仕事ができるということは夢のようなことでした。「好きなことを仕事に」ということは誰しもが憧れることだと思います。しかし、それは難しいことだということもわかっていました。就職活動をしていく中で、「安定」というワードは会社を決める上でとても大きなウェイトを占めると思います。身の丈に合った、現実的なライフプランを立て職につく、多くの大学生が様々な「安定」の指標を立てて就職活動をするのだと思います。私も「IT業界」かつ「地元神奈川県内勤務」を条件に就職活動をしてきました。しかし、トヨタケ工業に入社し、全く違った業種と勤務地になりました。再度夢を追いかける仕事に就こうと考えた大きな一押しになったのが、INABU BASE PROJECTの最大の特徴である「三日二日」です。

INABU BASE PROJECTの「トヨタケ工業の正社員として週三日働きながら、二日間のトレイルガイドという副業を認める」という夢と現実の間、針に糸を通すようなバランスのとれた制度が私にとって大きな魅力になりました。「正社員」という「安定」は夢を追いかけるための地盤になることに違いありません。5日フルで働きながら、2日広大なトレイルを開拓するでもなく、5日山に入り作業やガイドをするでもない、企業が譲歩して、「三日二日」の勤務体系を提案していく、遊ぶことと働くことのバランスです。前例がないことを始めていくので実際にやってみないと分からないことは多いです。しかし、稲武に行き、プロジェクトに関わる方々の話を聞いたことで、これからのスタンダードになり得る働き方だとも思えました。このINABU BASE PROJECTの特徴と「この先、安定が絶対保障される訳ではない。それなら守りに入るよりも、攻めに転じた方が絶対に楽しい」という私自身の考えが稲武に移住する決定打に繋がりました。

 

私が採用の過程で大きな評価を頂いたのが「行動したこと」でした。私が行ってきた就職活動は大学で紹介された企業や、多くの大学生が利用するような人材広告会社の情報に基づいた企業探しでしたが、そのレールから一歩外れ、縁もゆかりもない地方企業に来るということ、「東京から地方へ」は想像していたよりもインパクトがありました。稲武で様々な方にお会いする度「東京からよく来た」ということを言われたし、実際に新聞の取材も受けました。私は神奈川県川崎出身なので、厳密には東京から来たわけではありませんが、Iターン就職における、都会から来たという事実は武器に成りえると思います。

 

今まで行ってきた身をすり減らす就職活動とは違い、稲武では様々な人が温かく迎え入れてくださいました。資本としての人材ではなく、仲間として迎え入れてくれているという実感がありました。内定後、部活の夏合宿の旅費を調達するため、トヨタケ工業でバイトをさせていただいた時も、通常の業務以外に、プロフェッショナルの指導の下、自分が作りたいものをアウトプットする時間をいただきました。「やりたいことができる」ということを謳い文句にする企業はあっても、アルバイトに製品開発の時間をくれる企業はなかなかないのではないでしょうか。大きな責任もありますが、自分が必要とされているという嬉しさもあります。

INABU BASE PROJECTとトヨタケ工業の両方で新しいことを始めていく、自分たちで作り出していくことに毎日ワクワクしながら4月を待っています。

 

▲写真のバッグはシートの端材を使って作りました

 

私は自転車というアプローチから理想の就職先を見つけることができましたが、以前の私と同じように、従来の就職活動が「合わない」と感じている都会の就活生はたくさんいると思います。もし、就活で行き詰まるようなことがあれば、自分の好きなことを切り口に視点を変え、ワクワクできたなら飛び込んでみてください。

INABU BASE PROJECTでは定期的に「1,300フィールド探索&開拓」のような参加自由な企画を行なっています。都会から田舎へ。ぜひ、就職活動の息抜きがてら「働き方革命」の最前線へ気軽に足を運んでみてください。同世代の新しい仲間達を心から歓迎いたします。

 

筆者プロフィール

遠藤 颯

Endo Hayate

1996年4月4日生まれ 神奈川県川崎市出身。東洋大学総合情報学部総合情報学科在学中。2019年4月からトヨタケ工業入社予定。INABU BASE PROJECT、Iターン新卒一号として稲武で新たな働き方を実践していく。小学生の時に買ってもらったクロスバイクでツーリング、カスタムをし始めたのがきっかけで自転車にハマる。高校では通学の足としてピストバイクを組み、泊りがけのツーリングへ。大学では自転車部に所属。ツーリングを活動の基軸に、クリテリウム、シクロクロスなどレースにも出場。自転車で遊ぶことの裾野を広げてゆき、稲武でマウンテンバイクと出会う。

 

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